1. 長い間、教育問題をテーマに「いじめ」や「暴力」の中で苦しんでいる若者の声を聞いてきました。くる日もくる日も、中学生や高校生、そして若者の声を聞いてレポートをまとめる仕事を80年代から90年代半ばにかけてしてきました。 

    このような集積の中でまとめた本が今も集英社文庫から出ている『いじめの光景』です。発売から何度も版を重ねて10数万部が売れました。ここで、強く打ち出したのは「自分いじめからの解放」という部分です。

     苦しんでいる若者数千人の声を聞いていくうちに、「自分いじめ」とよべる強い自己否定衝動にさらされ、やがて外に一歩も出られなくなってしまう経験をしていることを重く見たからです。現在は、教育や心理の場で「自尊感情」などと呼ばれていることと同一です。